法人化すると、いくら節税できるか?
個人事業主で始めたビジネスが大きくなってくると法人化・会社設立しようかなという考えが出てくるかと思います。税金を安くするために法人化をするべきかどうか悩んでいる方は大体500~5000万円くらいの利益(所得)の個人事業主・経営者が多いのではないかと感じます。
また最近では、IT業界や副業などでひとりでフリーランスとして活躍されている方も800~2000万円ほど稼いでいて会社設立した方がいいのか気になっている方からの相談を頂くことが多いです。
法人化の節税シミュレーション
今回の記事では「とにかく分かり易く」を最優先に、前提条件をものすごく単純化して、利益と設立後の給料だけを変化させてみて「個人事業主vs会社」の税金・手残り金額をシミュレーションしてみます。
利益は簡単にはコントロールできませんが、給料の水準は会社を設立すればオーナー社長自身で設定することができます。
上記の計算結果から分かることは、利益(所得)を全て給料として設定すると、法人化しても節税効果が薄く、個人事業主の手取り額を下回るケースも出てしまっています。
一方で、給料の額を最適化することで最大1000万円近く手取り+会社の利益を多く残すことが可能です。(所得500万円の場合でも給料の設定額次第でプラスになります。)
この点は、法人の税率は固定(23%or33%)で、フリーランス(個人)の税率が累進課税(最大60%)ということが大きく影響しています。制度の違いを上手く利用するのが大切だということがわかるかと思います。
法人化の主なメリット
法人化の節税についてのメリットは、大きく以下のようなものがありますが、今回は①と②だけを考慮した場合の結果です。
<今回考慮したメリット>
①税率メリット
②給与所得控除メリット
<今回考慮してないメリット>
③所得分散メリット
④経費・手当メリット
⑤消費税免税メリット
⑥社会保険料削減メリット
法人化シミュレーションは前提条件次第!
今回のシミュレーション計算には、①と②以外の他のメリットは計算前提に一切考慮していないので、他のメリットを組み合わせればもっと税金を削減することは可能であり、前提条件次第では所得が100万円程度でも法人化した方がいいケースもあります。(マイクロ法人などの場合)
シミュレーションは真面目にやると実はすごく複雑で、最適解を出すのはプロでも難しいですし、少し前提条件が変われば結果も大きく変わるので、試算される際は公認会計士や税理士などの専門家と一緒に見てもらった方が確実で安心できると思います。ときどき税理士でも社会保険を考慮せずにシミュレーションしていることもあるので、結果が全然違ってきますので試算結果は注意してみてください!
公認会計士・税理士業(自身)のベストなスキーム
ちなみに自分自身の経験で言いますと、上記の②、③、④、⑥の旨味を得たかったので、個人事業主を残したまま会社を設立しています。社会保険料の削減と合わせて年200万円程度の節税効果を得られていると思います。
今回は、給料だけ調整してみて、最低限の対策でもどれくらい節税ができるのか?という点で法人化のメリットを確認してみました。
法人化のタイミングの判断は難しいかと思いますが、少しでも皆様の参考になれば幸いです。